新株予約権

 新株予約権とは、あらかじめ定められた条件で会社に対して新株式の発行または自己株式の提供を請求し、それを購入できる権利のことです。 特に会社の取締役や従業員などに対して付与するものをストックオプションといいます。

 簡単に言えば、新株予約権があれば、前もって決められた価格で株を購入出来るということです。 つまり「A社の株を1年以内に、1000円で購入出来ます」といったような権利です。では、この新株予約権はどういった効果があるのでしょうか?

会社のメリット・デメリット

メリット1:安全な資金を調達できる
 新株予約権を発行した企業は、権利保有者がその権利を行使した際に購入した資金を受け取れます。 銀行貸し付けや社債などで貸付で資金を集めた場合は、その資金にたいしての利息を支払わなければいけません。 しかし、新株予約権の行使で資金を集めた場合、利息が発生しないので安全に資金を集めることができます。
メリット2:特定株主の割合が増える
 上場企業にとって、もっとも警戒することは望まない第三者(投資機関や企業)からの買収です。 上場した会社の株はだれでも買うことが出来ます。 ですから、その保有割合が50%を超えてしまうと企業は買収されてしまいます。 そうならないためにも、信頼できる特定株主の割合を増やす意味でもこの権利は効果的です。
メリット3:ストックオプションは企業意識を高める
 新株予約権の中でも、取締役や従業員に与えられるストックオプションの場合、自社の株式を保有することでより会社に愛着をもつようになります。 そのため、社員の企業意識を高めることができて、業績にも結び付きます。
デメリット1:株の希薄化
 新株予約権にたいして、自己株式の提供ではなく新株式を発行した場合、既存株の希薄化につながります。

権利者のメリットデメリット

メリット1:安く株を取得できる
 新株予約権を行使した場合、権利者はあらかじめ決められた価格で株を購入出来ます。 通常、この権利を企業から受ける場合は現在の価格よりも安い値段を設定します。 理由は簡単で、誰も今の株価より高く買う権利はいらないですからね。
 例を示すと、「現在株価1100円の株を1年以内に1000円で100,000株買う権利」を手に入れた場合、 差額の100円×100,000株で1億円分安く手に入れることが出来ます。
メリット2:必ずしも行使しなくてよい
 新株予約権はあくまでも「権利」です。 そのため、行使するかしないかは権利保有者が選択できます。 もし、株価が行使価格より下落したり、業績が良くないのであれば行使する必要はありません
デメリット1:オプション料が発生する
 新株予約権を受け取るためには、そのオプション料(権利にたいする料金)が発生する場合があります。 万が一、行使しないとなるとその分のオプション料は返金されません。

既存株主のメリット・デメリット

メリット1:借入金や社債よりも安全
 利息の発生する借入金や社債よりも安全に資金を集めるため、リスクが軽減されます。
デメリット1:株式の希薄化
 新株を発行する場合、株の希薄化がおこり株価が下落する場合があります。 特に、現在株価と新株予約権の行使価格が乖離し過ぎると既存株主にとっては喜ばしいことではなく失望売りに繋がります。

 このように、権利保有者、企業、既存株主にとってはそれぞれの立場があり、メリット・デメリットも様々です。 ただ、あまりにも自己本位な方法での新株予約権の発行は既存株主の信頼を損ねますのでやめてもらいたいですね。

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