初心者の株式投資基礎講座

仕手株

 仕手株とは、特に理由も無く株価が極端に動く銘柄のことです。 1、2カ月といった短い期間に、株価が3倍にも4倍にもなったりすることもあります。 株価の急激な上昇には、業績の上振れ期待や新規事業の立ち上など何かの材料があるのが一般的ですが、仕手株にはそういった材料があるわけではありません。 しかし、上がる理由は単純で「単に需要が増えただけ」です。 つまり、買いが極端に増えたのです。

なぜこのような現象が起こるのでしょうか?

仕手株の仕組み

 このような仕手株の動きを作り出す人たちを仕手筋と呼びます。 彼らは意図的に特定の株をあるラインまで徐々に買い上げます。 そしてその後一気に株価を吊り上げた後、上昇している間にこれまで仕込んだ株式を売り抜け多額の利益を上げるのです。

 仕手筋以外の投資家も、仕手株の動きを見て利益を出せると判断すれば、どんどんその仕手株に参入します。 そうなることで仕手株は大きな相場へと変化していくのです。

 もちろん、動きを作り出した仕手筋も、他の投資家も大きなリスクを伴って取引をしています。 仕手筋は仕入れた大量の株を仕入れ値以上で売らなければ大損害ですし、参入した投資家も同じく激しい動きの中で上昇を見極めて売り抜けなければいけません。

 下のグラフは2011年12月の新日本理化(株)の株価チャートです。 某仕手筋か介入していると噂されている銘柄ですが、10月末からわずか2カ月で株価は3倍にも上昇しています。

仕手株のチャート

 こういったチャートを見るととても魅力を感じますね。 こういう仕手株ばかりを狙った投資家もいるそうですが、投資は自己責任で行いましょう。

仕手株を取引きする際の注意

 仕手株は上昇や下落の要因はほぼ需給のみです。買いが入るから上昇するし、買いが弱まれば下落します。実質的な会社の業績とは関係なく動くため、上昇のピークも下落するスピードも余程の技術がないと難しいでしょう。

 ただ、一つ仕手株といえども会社の四半期決算は絶対にあります。3カ月に一度会社が業績の進捗を発表するわけですから、そこで実態が伴っていない異常な上昇が投資家に冷静に分析されたら、いかに仕手株とはいえ適正な株価帯へ戻ろうとする力は大きく働くでしょう。

 そんなわけで、仕手株を売買するのであれば、その四半期決算の発表日程を意識した方が良いと個人的には思います。

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