空売りのリスクを知る
信用取引では、貸借銘柄において空売りが可能になります。 空売りを利用すれば、下落相場でも利益を上げるチャンスが広がります。 単純に考えると売りでも買いでも利益を得ることが出来るのですからチャンスは2倍です。 しかし、だからといって空売りに頼りすぎると思いがけぬ結果を招く恐れもあります。
株価が倍になるよりも0になる確率は高い
貸借銘柄の空売りが可能な銘柄というのは、財務的な基準が設けられています。 そのため、短期間で企業価値がゼロになる可能性は極めて低いのです。
しかし逆に、その企業が堅調に業績を伸ばし、2倍、3倍の株価になる可能性はより高いものです。 ですから、安易に長期に空売り銘柄を探すよりは、素直に上昇しそうな銘柄に普通に投資した方がはるかに効率的でしょう。
逆日歩(ぎゃくひぶ)によるリスク
逆日歩とは、信用取引で売り建てが可能な銘柄に極端に売りが集中するなどして、空売りのための株に不足が生じた場合に発生する品貸料です。
普段は逆日歩は発生したとしても0.1%にも満たない、少額の品貸料ですが、仕手株のように突然数十%も株価が上がった場合、売り建てされた株数が圧倒的に多くなります。 そうなると、極端に株不足になり、逆日歩の最高料率も跳ね上がり、株価に対して1日数%の逆日歩が発生することもあります。
ですから、仕手株化したような銘柄を空売りすると、思いもかけない逆日歩の損失が出る場合もありますので、 そのような銘柄の日付を持ち越した空売りは推奨しません。
以上の点から、空売りはあくまで暫定的な投資であって、長期投資にはリスクをともなう可能性が高いため、下落トレンドで短期的に用いる手法として考えましょう